2011年3月03日(木) | by 管理人 1 コメント

卒業は終わりでなく

1997年、創立時の1期生の子どもたちは、今や立派に成人し、それぞれの道を歩んでいる。都会で仕事に就いている人間も多いが、地元舞鶴に帰省の際は現メンバーと一緒になって地域のお祭りや舞鶴市が企画する国際交流の場、イベントにも積極的に参加するという。

コンサート楽鼓は現在、4つの和太鼓チームユニット「かわら屋」の中心チームとしても活躍している。小学4年から中学3年までが「楽鼓」で、「楽鼓」を卒業した高校生以上のチームが「カムイ」。そしてお父さんチームの「社」。お母さんチームの「和楽」だ。このすべてのチームが一同に集まって「かわら屋」として演奏する和太鼓は、とにかくかっこ良い。一度演奏を聴いたらきっとファンになる。

今や市内のイベントのみならず他府県のイベントでの演奏や津軽三味線や韓国楽器とのセッション、韓国学生との交流演奏等にもチャレンジするメンバーたち。発足から14年目を迎え、国際交流や地域間交流を経験し、ジャンルを越えたセッションなど様々な経験を経て、子どもたちは友情の輪を広げ、自分たちのチームワークを深めている。それはまさに、「楽鼓」の名のとおり、太鼓の演奏を楽しむ姿だった。

子どもたちは、太鼓の稽古だけでなく、リズムや曲を「創る」ということにも目覚め、新たな自己表現の形を模索している。

伝統の継承に向けて

独奏どんな地域にも、一定の歴史があれば、地域の中で古くから伝わる伝統がある。それがもっとも目立つ形で表れるのが、祭のような行事だろう。近年、少子化で伝統の継承が難しくなったという声をよく聞く。しかし、はたしてそれは、少子化だけが理由だろうか。

ときには行事のとき、子どもたちが、由来などの意味を理解しないまま、作法だけを受け継いでいることもある。それでは、興味が失せていき、面倒になっても仕方がないのかもしれない。

現在の日本には楽しい事がいっぱいある。テレビやゲーム、パチンコやドライブ、パーティでの宴会や居酒屋での飲み会。楽しい誘いを断ってでも練習に向かわせる、楽鼓の持つ、和太鼓の魅力ってなんだろう。

きっと最初から楽しいのでは無くて、みんなで続けてきたことの連帯感やテクニックの向上。そして認められることや演奏の機会が増えていき拍手をもらったときの達成感が、練習に向かわせるのではないだろうか。

各地で伝統文化の保存会が立ち上がっている。多くの場合、高齢者中心の保存会が多い中にあって、子どもたちが中心の楽鼓は異色を放つ。

その背景には、毎週、往復4時間、練習2時間という時間とお金と努力を5年近く費やして自ら学んできた、山本巌さんの貴重な投資がある。その熱意あればこそ、和太鼓を生き生きと演奏する瞳があり、地域の元気がある。和太鼓のリズムが、地域の歩みを刻んでいる。

 

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1件コメントがあります

  1. 太田 より:

    子供(小学四年生)が保育園でたたいていたこともあり、和太鼓に興味をもっています
    舞鶴にある子供の和太鼓教室を探していて、楽鼓さんのことを知ったのですが、どこで活動されているのか、どこに問い合わせすればよいのかわからず、こちらにたどり着きました

    活動内容などを知りたいのですが、教えていただけませんでしょうか?