兵庫県の丹波地域は、氷上回廊として知られる、本州でももっとも低い分水界を擁し、太古から北と南の生物が行き交う生命の回廊でした。
丹波地域(丹波市、篠山市)
兵庫県の丹波地域は、丹波市と篠山市が含まれ、豊かな生命の宝庫として知られ、丹波黒豆や大納言小豆などさまざまな特産物が育まれています。
日本海側、やがては由良川に注ぐ源流と、瀬戸内川、加古川の源流が出会うのが、丹波地域です。本州の南北を分かつ分水嶺が、ここだけ、すとんと切れており、本州で一番低い分水嶺をなします。そのため、太古から、南の生き物と北の生き物が、この「屏風の切れ目」を通って行き来していました。それが、「氷上回廊」です。
その結果、現代の兵庫県丹波地域は、南の生き物と北の生き物が混在して見られる、非常に生物多様性に富んだ地域となっています。こうした豊かな生命のなかで、農村文化もまた、豊かに花開いてきました。
現在では、阪神圏から1時間から1時間半程度と、「都会に近い田舎」として、多くの移住者を受け入れるとともに、市民農園をはじめとした農業体験も多く提供されています。
近年になって、この地から、氷上回廊よりさらに旧い時代の化石が発見されました。そう、「恐竜」です。日本でも初めてという、つながった状態での骨格も発見され、今後の環境学習などへの活用も期待されています。