2010年10月30日(土) | by 管理人 北近畿の広域連携とふるさとの魅力 はコメントを受け付けていません

何よりも外の目が大事

戸祭 岩井さんの「何もないではなく、やり方しだいで何でもできる」というのは?

岩井 7、8年くらい前から竹野町に面白い人たちが集まってきました。昔から「若者・ばかもの・よそもの」がいないと地域発展はできないと考えられてきました。残念ながら若者は少ない。そこで、Uターン、または定年で帰ってきた人たちに聞くんです。公務員なら国からどんな助成が受けられるかなどを知っているし、アイデアマンからは次々案が集まってきます。実際に私たちが行ったのは、きれいな竹野浜を守るための「禁煙ビーチ」。犬と一緒に浜辺で遊べる「わんわんビーチ」。また、かつて竹野では塩作りが盛んに行われていた歴史をもとに、塩作りを復活させました。できた製品を「誕生の塩」と名付け、これを使ったお菓子を販売し、塩作りの体験工房も行っています。

平嶋 やはり外の目は大事ですね。プラットフォームよりも前の段階として、地域の財を掘り起こす作業が必要です。外の目からみると「そんな見方があったのか」と違う切り口で見ることが出来ます。例えばUターン者は田舎も知り、都市部も知っている。そういう目を持った人は、こういう売り方をすれば売れると気づけます。外の意見を聞き、中で何が実現可能か考える。どの人に話を持っていけば実現可能なのか、そのアドバイザーを通して両方協力しながら進めていくことが重要です。

戸祭 高御堂さんの美山観光振興での苦労や成果は?

高御堂 平成5年に「かやぶきの里」が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。「かやぶきの里」を大阪の大手旅行社に売り込みにいったとき、「普通の田舎やね」と言われてしまいました。それがとてもくやしかったのを今でも覚えています。その普通の田舎をど
う商品にしていくか、いろんな努力、工夫をして皆で頑張ってきました。「昔、かやぶきは貧しさの象徴だった」と聞きました。以前は人に美山から来たと恥ずかしくて言えなかったのが、文化財地域指定を受けて、堂々と胸を張って「美山から来た」と言えるようになった、という住民の声もあります。地域の良さが広まることで、住んでいる人までもが元気になるのです。今では「南丹市美山エコツーリズム推進協議会」を発足させ、美山観光をコーディネートする機関として活動しています。

戸祭 北近畿みらいへの期待を一言ずつ。

平嶋 今、旅行の形態は多様化しています。いろんな情報、細かい要望に対し、きめこまやかな対応をしていくことが、ひとりひとりの満足度にもつながります。北近畿には多くの資源があります。情報発信し、満足度を上げ、リピーターを増やす。「北近畿みらい」には農山漁村と都市を結ぶ仲介役(プラットフォーム)としての役割を担って頂きたい。

岩井 北近畿を「真珠のネックレス」にしたいと思っています。それぞれの地域の真珠をしっかりと大切に育て、それをつなぎ合わせたとき、素晴らしいネックレスになる。北近畿みらいがそれぞれの真珠をつなげる役目を担ってくれることを期待します。

高御堂 観光に関するキャッチフレーズを作ってみるのはどうでしょうか。美山町なら「かやぶきの里から未来が見える」とか。それを作ると、「あ、自分の町ってこんなイメージなのか」という意識を持つようになります。それが、自分の地域を知り、素晴らしさを知る第一歩になると思います。

戸祭 「プラットフォーム」は観光のネックレスも入る宝石箱。宝石箱は閉まっておくものでなくみんなでも持ってもらうものですね。本日はありがとうございました。

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