本年度最終、7回目となる3月の学習会では、いよいよ北近畿の地域資源の魅力について、地域代表からそれぞれ紹介しつつ、学びました。四方理事長より、綾部の意外な地域資源の例として「大本教」が紹介され、事務局で取材した結果を、まず報告しました。
宗教法人大本と綾部の観光振興
大本教は、明治25年に開教、現在まで社会情勢に大きく左右されながらも、大正時代から全国的に広がった宗教である。戦時を経て、昭和20年の終わりから本格的に再建され、「世界平和」の理念のもと、綾部市とも連携しながらここまで成長してきた経緯がある。
集客面では、いわゆる大本の大祭には、毎年1万人が来綾しており、市の賑わいに貢献している。1月に七草粥、2月に節分大祭、5月にみろく大祭、11月に開祖大祭ともみじ祭りと、大本でお祭りがある度、全国からの信者や一般の人々で綾部がにぎわう。
宗教施設ではあるが、観光先としての魅力も評価されており、見学要請、法話などできるだけ応えるようにしている。老人会など近畿圏からツアーが来ることも多い。
自分を忘れて他人のためにつくす「忘己利他(もうこりた)の精神」というのがある。他人や地域に貢献することで、自らも支えられる形となる。これが取り組みの基本にある。
北近畿の地域資源
取材した感想として、確かに宗教法人となると敷居が高く感じられるのですが、考えてみれば、たとえば京都の寺院観光などは、まさに宗教施設を舞台としているわけで、観光と宗教というのは、決して相反するものではないということを、あらためて気づきました。
座禅や写経など、他の寺院でもツーリズムへの活用は考えられます。太田理事からは、但馬の応挙寺を舞台にした絵画制作のようなアート的なツーリズムの可能性も指摘されました。
現在NPO法人北近畿みらいでは、北近畿圏内の地域資源の発掘に努めています。各地域代表から、それぞれのお薦めの地域や活動を教えていただき、なかでも先進的な事例を取材し、公開していく予定にしています。
詳細は、このホームページの「地域磨きの現場から」コーナーで紹介します。