人生失敗しても良いんだな!そう思わせてくれるのが井上吉夫さん(59才)。
綾部市志賀郷町のサラリーマン家庭に生まれたが「人に使われたくない」その思いから高校生で農業への道を選択。北海道と大分県で酪農を学び、地元志賀郷町に帰ってからは何もないところから酪農を始めた。
牛舎を建てるお金もないので、山を買い放牧しながら牛を育てていたが、牛の健康状態が悪化しそれと共に経営状況も悪化。24才の頃には大きな借金を抱えることになった。仕方なく借金返済のために、京都の大手漬け物会社の依託でなすびの一次加工を請け負った。
同時に地元の農家からお米を作ってくれないかといった依頼が増え始めた。漬け物に使うなすびは7月08月に手が掛かり、お米も同じ頃に手が掛かる。まだまだ働き盛りとはいえどちらかを選択しなくてはいけないと思い、10年目を節目になすびをやめてお米だけで生計を立てようと決心した。
それから24年が経過した。決して一言で語れるような楽な専業農家では無かったことは予想できる。でも井上さんのところに農業を志す若い研修生がやってきている事が日本の農業にかすかな明るい希望を感じる。